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右も左もわからないまま化粧品工場(ミニ)を作った話【前編】

コラム

2022.06.24

今回は、私が前職にて、入社してすぐに化粧品工場を作ったときの話を書こうと思います。書いているうちに長くなりましたので、記事を分けて投稿したいと思います。よろしければお付き合いいただけると嬉しいです。

まず、入社してすぐの私のミッションは、化粧品製造販売業と化粧品製造業の許可を取得することでした。(この2つの許可について知らない方のために、また改めて記事を書きたいと思います。)化粧品会社出身とはいえ、許可を一からとるやり方なんて知りませんでした。さらには、工場というと、知っていたのは大きな乳化釜や、長い充填ラインのある大きな工場。小規模で工場ってどうやるの?っと悩むところからスタートしました。

化粧品の業許可を取得する方のための教科書的なもので、「化粧品・医薬部外品製造販売ガイドブック」という本があります。人的要件や構造要件など、詳しく載っていますのでとにかく血眼になって読み込みました。取り急ぎ、私が総括製造販売責任者の要件を満たすことを証明する大学の卒業証明と化学履修科目の成績書を取り寄せたりしました。こちらも、提出書類に含まれるからです。

県の薬務課に相談

机上で考えているうちに、疑問も沢山出てきたため、質問事項と会社の図面を持って、県の薬務課に相談にいきました。私の県では、きちんと予約をしておけば、とても丁寧にアドバイスをいただけました。

 

 

これから作るアイテムを考える

工場の設備を考えるときに、これから何をその工場で生産するかがとても重要になります。化粧水、乳液、クリーム、メイク、シャンプー、etc 世の中には色々な化粧品がありますが、それぞれの剤型によって、作り方が全く異なりますし、衛生レベルも変わってきます。将来的な展望も含め、なるべく汎用性のきく設備にしておくということも、あとで構造変更等のコストを抑えるコツかと思います。アロマを扱っていた私の会社では、天然原料にこだわった化粧品を作っていきたいという方向で考えていました。

 

 

社長とのバトル勃発!?

ここで、ずっと打ち合わせを重ねてきた社長と衝突というか、バトルというか。。。、意見の食い違いにより話が前に進まなくなりました。

それも当然、社長は化粧品に関わることが全くの初めてで、薬事法についても当然あまり知りません。化粧品にまつわるあらゆるリスクについて、一から細かく説明をしなければならない状況でした。化粧品は、効能効果を謳えると思われがちですが、限られた範囲での表現しか認められていないこと、そして、顧客の健康被害を防ぐために必要な試験や投資が必要なこと…などなど、経営者にとっては耳の痛い話ばかり。。。。

社長のやりたいことと、私の安全を考慮した上で進めていきたいことが、食い違い、なかなか前に進まないという状況になりました。

なんとかアイテム決定

幸い私は、その前に勤めていた化粧品メーカーで、散々クレームやトラブル案件を経験してきました。なので、化粧品ってこんなリスクがあるよっていうことを、具体的に社長にお伝えすることが説得力になったようで、社長と私の中で妥協点を探っていき、最初に生産するアイテムの種類を決定することができました。

やはり、ナチュラルコスメを作っていく中で、防腐剤はとても敬遠される存在。しかし、衛生環境を十分に備えられないことと、微生物試験は自社では愚か、外注することも最初は厳しいと考え、オイル系の商材を生産することで落ち着きました。

売り上げをあげて、設備投資もしつつ、次なる剤型も増やしていこうという作戦です。と、ここまで書いてきましたが、いかがでしょうか?続きはまた次回の記事で書こうと思います。よかったらまた見にきていただけると嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

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