【化粧品OEM】商品の仕様を決める上で最も重要なこととは?〜前編〜
2022.09.02
優先順位を明確にする
コンセプトが決まったら、次は製品の仕様を決めていきます。まずは、次に挙げる項目についてざっくりとした内容を決めましょう。そこで重要なことは、各項目の優先順位を決めるということです。これは、どの項目の優先度が高いかによって、化粧品OEMにおける仕様の選択肢もまったく変わってくるからです。
化粧品 OEM 会社にも、得意・不得意があります。例えば、入れたい成 分の優先度がとても高い場合、その成分の取り扱いがない OEM 会社と話をしていても話が進みません。あなたが進めるプロジェクトがどの要素を重要としているのか、 はじめの段階で OEM 会社に明確に伝えておくことが、 非常に重要なポイントです。
①化粧品に配合したい成分
化粧品OEM開発で一番の醍醐味となるのが、化粧品の成分を決める場面です。 なぜなら、あなたが作る化粧品のコンセプトをダイレクトに表現できるところであり、消費者にもっとも魅力を伝えやすい要素だからです。
入れたい成分があって優先度が高い場合、はじめに希望の成分の配合が可能かどうか、OEM 会社に確認しましょう。例えば、配合したい成分が油溶性か、水溶性かによっても配合できるできないが分かれてきます。その場合、 同じ効果効能を持つ代替原料などがあるか、確認するとよいでしょう。
また、持ち込み原料が可能な OEM 会社もあります。化粧品は規制緩和で さまざまな原料の配合が可能になりましたが、なんでも入れていいというわけではありません。微量入れるだけで、処方のバランスが崩れてしまう原料もありますので、まずは OEM 会社に確認をとり、用意する資料などがある 場合は、その詳細も確認しましょう。
化粧品OEM開発でコンセプトが一番ブレそうになるところが、この入れる成分を決める時です。なぜなら、世の中には素晴らしい原料や成分が 山ほどあることを、あなたも化粧品開発をしていく中で知ることになるからで す。いろいろな原料の知識が増えると、夢のような化粧品が想像できてしま うでしょう。しかし、そこをぐっとこらえて、自分で決めた軸はなにであったか、 今一度立ち返ってください。 これが、売れる化粧品になるかどうかの分かれ道となります。
⇒ 代表的な成分一覧 ( あくまで一例です。訴求する効果によって使い分けます。 )
美白成分 |
トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、コウジ酸、 アルブチン、ナイアシンアミド |
保湿成分 |
セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸、 グリセリン、BG、ワセリン |
しわ対策成分 |
ニールワン、レチノール、ナイアシンアミド |
にきび対策成分 |
イソプロピルメチルフェノール、イオウ、レゾルシ ン、サリチル酸 |
抗炎症成分 |
グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ス テアリル、アラントイン |
エイジングケア成分 |
フラーレン、ユビキノン、水溶性プロテオグリカン、 ヒト幹細胞順化培養液、EGF、FGF |
②化粧品のテクスチャー
テクスチャーとは、実際に使用した際の 感触、使用感を指します。こちらも先に設定したコンセプトに直結する大事な要素で す。テクスチャーの表現をうまく伝えられるかによって、化粧品のできが大きく変わっ てきます。これは非常に難しく、試作を繰り返してもなかなか満足いくものができあがらないことが多いです。 その場合、参考にしている市販品を OEM 会社に送り、現物を触ってもらって、 それと同じ感触なのか、それより少しさっぱりなのか、しっとりなのか、など 参考品を示すことでぐっと希望のテクスチャーに近づくことがあります。 OEM 会社の処方開発者も人間なので、 解釈が違うケースがよくあります。 しかし、参考品を触ってもらうことで、解釈の乖離を防ぐことができ、開発期 間の短縮にもつながります。
③オーガニックか、自然由来か、それ以外か
④輸出するか、しないか
自社で開発した化粧品を日本から海外へ輸出する際は、輸出先の国によって成分規制がありますので、対象国に対応した処方が組めるかを OEM 会社に確認する必要があります。 例えば中国は、日本で認められている化粧品成分よりも制限が厳しく、多くの成分が配合禁止とされています。したがって、将来的に化粧品の輸出を検討している場合は、対象となり得る国を全て OEM 会社に伝えておくように しましょう。そうでないと、後から輸出の希望を出すと、処方をいちから作り 直さなければならないかもしれません。
前編のまとめ
いかがでしたでしょうか?化粧品OEMって、明確に伝えなければいけないことがたくさんありますよね。でも、大丈夫です。この記事で解説していることを参考にしていただくか、お忙しい方はぜひ、化粧品OEMコンサルタントに頼ってみてください。条件にあった一番最適な選択肢を導くように化粧品OEM会社との交渉を代わりにやってもらうことができます。
仕様決定のための要素は、後編でも詳しくお伝えしていきます。