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化粧品OEMで化粧品をつくるときに知っておくべきこと

化粧品OEM/ビジネスの豆知識

2022.08.12

こんにちは。今回は、化粧品OEMのご相談をうける際に、いつも感じているこがあります。それは、化粧品業界独特のルールや、前提条件のようなことがあるのです。これを、他の業界の方々には、想定外のことであることが多く、なかなか化粧品OEMのプロジェクトが進まないことがあるんです。(いや、これは、本当にしょうがないことだとは思います、、、。誰も悪くないです。)しかし、そういった想定外の事態に陥らないために、ぜひ、皆さんには前提として知っておいていただきたいことについて、ご紹介いたします。

 

化粧品OEMの開発期間について

まず、OEM 会社に依頼して化粧品開発をする場合、 開発期間はスムー ズに進んだとしても 6ヶ月〜 1 年はかかります。6ヶ月以前に発売できるこ ともありますが、それには条件があり、化粧品の仕様をオリジナルにせず、 OEM 会社でもともと扱っている処方と容器を採用して発売する方法に限られ てきます。つまり、希望する仕様にはほぼできないということです。 中でもネックになるのが、容器の製造期間です。既存容器へラベルを貼る場合は短縮できますが、容器へ着色・印刷をする場合は納期が約 2 〜 3ヶ 月かかります。もちろん、在庫がある容器を選んだり、着色・印刷をせずラベルを貼ったり すれば期間を短縮できますが、容器の選択肢は格段に少なくなります。 一番驚かれるのが、この容器のリードタイムの部分であり、他業界の方には なかなか理解されにくい点になりますので、ここは十分に注意して計画を立てることをおすすめします。

 そのほかに長くかかる工程は、商品の安定性に関する試験期間です。もともと安定性が確認されている処方をそのまま採用する時はこの試験を省略 することもありますが、完全に新規で処方を作る時は多くの場合、この安定性試験を行います。 こちらは通常 6ヶ月かかるのが基本です。もちろん、この期間において処方 に異常が認められた際ははじめからやり直しとなってしまいます。この 6ヶ月 という期間は、品質保証期間 3 年を保証するために要する最短期間と考えておきましょう。

 次に、化粧品OEMの試作期間です。これは、OEM 会社によってさまざまですが、おおよそ 1 回 の処方につき、2 週間程度かかるのがほとんどです。したがって、何度も再 試作を重ねると、あっという間に数ヶ月かかってしまいます。こちらは後ほど ご紹介する製品仕様の決め方の章で、より上手に進めるコツをお伝えします ので、参考になさってください。

 そのほか、オーガニックの認証を取得した商品を開発する場合は、その 認証機関にもよりますが、申請期間として数ヶ月要することがあります。こちらもあらかじめ十分確認した方がよいでしょう。医薬部外品を作る場合、通常の開発期間に加え、厚生労働省に医薬部外品承認申請書を申請する期間 が必要となり、おおよそ 6ヶ月〜 8ヶ月かかります。また、承認が下りない 場合は再申請となってしまいますので、こちらもあらかじめ覚悟が必要です。

 

 

 

化粧品OEMにかかる費用について

 

化粧品OEMに費用については、どんなに安く作ったとしても数十万円以上はかかってきます。実際の金額は、希望とする化粧品の仕様によってさまざまです。これは、化粧品に使われる原料価格が大きく影響します。特に、機能性成分や天然由来原料を採用する場合、希少価値の高い原料ほど価格に影響してきます。あらかじめ予算感を OEM 会社に伝えてから、中身成分に ついて決めていくとよいでしょう。 また、医薬部外品の開発や、オーガニック認証を取得する場合は、通常の 開発費用に加え申請費用もかかってくる場合が大半ですので、注意が必要 です。 ちなみに、化粧品をイチから開発・試験を経て製造 〜 販売まで行うために かかる経費としては、ざっくり以下の通りです。
 
● 開発費 ( 試作費・安定試験費も含む )…30 万円〜
 
● オーガニック認証を取得する場合や医薬部外品の認定および申請費…
 
20 万円〜
 
5 ● 容器代…1 個 100 円〜 ( 発注単位 1,000 個程度の場合 )
 
● 容器を梱包する箱代…1 個 70 円〜 ( 発注単位 1,000 個程度の場合 )
 
● 容器に貼るラベル・( 容器に印刷する ) 版代 ・・・2 〜 3 万円〜
 
● ※ デザイン費は含みません。外注するとデザイン費が加わります。
 
● 製造費…1 個 50 円〜 ( 発注単位 1,000 個程度の場合 )
 
● 運送費…数万円程度 〜
 
● そのほか、雑資材など…数万円程度 〜
 
これらの項目をすべて最低限の費用に抑えたと仮定して積み上げると、 約 80 万円弱になります。つまり、この程度は最低限かかるコストとして、予算 を考えておくべきであるということです。 もちろん、販促費は含まれませんので、さらに予算はかかってきます。
 

化粧品容器・パッケージの価格

もうひとつネックになるのが、容器などのパッケージ費用です。容器は複雑な機構にしたり、豪華に見せたりするほど、価格は上昇します。一般的に 化粧品の開発というと中身が注目されがちですが、実は容器が中身よりも高くなるというケースも少なくないのです。むしろ、中身の開発費よりも容器や 印刷にかかる費用の方が高額になることも当たり前にあるほどです。
 
まずはどんな項目にお金がかかるのか?それぞれの項目について大まかな予 算感を持ち、大抵の場合で当初の想定より費用がかかることを念頭に置いた 上で、仕様検討を進めるべきでしょう。
 
 
 
 

化粧品には使用期限がある!?

通常、化粧品の品質保証期間は未開封で 3 年です。この期間が保証さ れる場合、化粧品パッケージに期限を記載する義務はありません。しかし、 品質期限が 3 年を下回る際は記載が必要となります。無添加やオーガニック 化粧品を開発する場合、防腐剤を配合しないケースも多いと思います。
 
このように品質期限を短くして販売するのもひとつの方法ですが、生産する ロット数を十分考慮し、早い期間…長くても製造より2 年以内程度で売り切っ てしまえるような製造ロットを検討し、販売戦略なども考えておくべきでしょう。
 
 
 
 
 
 

いかがでしたでしょうか?化粧品とは異なる業界の方々には、少しびっくりするような内容もふくまれていたのではないでしょうか?開発期間や、容器の価格など、「想像していたのと違った!」とおっしゃるクライアント様が多いんです。ぜひ、この機会にこういった前提条件を知っていただいた上で、余裕をもった計画を立てていただきたく思います。もちろん、こういった前提はありつつも、抜け道や、工夫次第で上手く進められる選択肢もございます!ぜひ、ご相談ください。

 

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